あらすじとテーマ

ジョーと私 中学卒業アルバムより

人生の折り返し地点をとっくに過ぎたと思われる幼なじみで同級生のヒトコとジョーが、40年の歳月を経てソーシャルメディアを通して再会する。

お互い決して順風満帆だと言えない人生を歩んできた二人。14才の時にヒトコへの恋心を砕かれたジョーだったが、大人になった二人は、40年前の気まずい思いをよそに、Facebookのメッセンジャーのやりとりを始めて意気投合した。

ジョーはヒトコが自分の初恋の人だったと告げる。理由もわからず傷つく純情少年ジョーとひたすら大人しくひた向きな少女だったヒトコ。

「今の俺はもう純情少年ではないよ」

と言うジョーと、母親になったヒトコのフラッシュバックする思いが初めて重なり合う。

日本の高度成長と共に良い時代を過ごしてきた世代の二人が、バブルのきらびやかな時代背景とは裏腹にそれぞれが挫折、事故、そして人生の転落や失敗を味わい、それでも一生懸命毎日を生き抜いてきた様を伝え合い始める。

そしてこれからの残りの人生を二人で生きようと心に誓う姿を描くノンフィクション。


時に人生でシンクロする場面もあったが、それぞれのライフステージにおいて全く違う生き方を選んできた二人が、これからどのように寄り添い生きていくのか。

もう若くはないと感じている自分自身のことやますます高齢になっていく親のこと。そして、親戚や家族のこと。

仕事のこと。
二人のそれぞれの過去のこと。

アメリカで生活するヒトコの元で、全てを捨ててゼロからやり直そうとするジョーの新たなる挑戦のこと。

子どもたちや彼らにまつわる切っても切れないアメリカの家族との因縁のこと。

過去から課された自分自身の問題にも取り組みながら、二人が再会した意味を戸惑いながらも見つけていく。

多様性広がるアメリカ社会で二人が新しくステップファミリーを築いていくプロセスを追い、まだまだ長く続くであろう人生の下山の日々を幸せだと感じるために、毎日の生活で何ができるのか?

人生100年時代における悔いのないセカンドライフの生き方を、同世代の人たち、またはこれから同じような道を辿るであろう若いジェネレーションへ向けて実践する、二人からのメッセージだ。